本号は3分割してお届けします。第2回 第3回 はじめに COVID-19が世に現れて1年以上がたちました。COVID-19に関する情報洪水の中で、日本救急医学会・日本集中治療医学会が、診療ガイドライン「COVID-19薬物療法に関するRapid/Living recommenda…続きを読む
はじめに COVID-19のパンデミックで成人感染症分野が大変な状況になっている。一方、小児分野ではそれほど大きな問題になっていないのに加え、接触機会の減少や感染対策の普及によりむしろ感染症が激減し、なぜか尿路感染症までもが減少する事態となっている[1]。小児感染症医たちは皆、心…続きを読む
キーワード:diphtheria、bradycardia、antitoxin 序 文 ジフテリア症は、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)の感染によって生じる上気道粘膜疾患である。菌から産生された毒素により昏睡や心筋炎などの全身症状が起こると死亡…続きを読む
はじめに 感染症治療のコンサルトにおいて、再建手術を伴った頭頸部領域の診療は少し苦手な方もいるかもしれません。領域の特殊性、解剖学的な問題に加え、手術がhigh-volume centerで行われているため、感染症科医にとっては診療することが少ないことが理由に挙げられます。本稿が…続きを読む
2019年2 月末、日医工株式会社(以下、日医工)がセファゾリンナトリウム注射用「日医工」の販売を一時中止することを発表し、3月上旬には供給停止に至った[1]。それに伴って多くの病院がセファゾリンやその代替薬の確保に奔走する混乱した状況が生じた。セファゾリンの供給トラブルの背景に…続きを読む
Q1:「以前にβラクタム系薬でアレルギーがあった」と言われた場合、他系統のβラクタム系薬については、慎重に経過をフォローしながら使用してよいのか? それとも避けるべきなのか? A1:他系統のβラクタム系薬使用の可否は、認めたアレルギーの重症度やタイプによって判断をす…続きを読む
はじめに SARS-CoV-2による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴い、コロナウイルスに対する活性が報告されているプロテアーゼ阻害剤のロピナビル/リトナビル(以下LPVr、カレトラ®)が使用される症例が続いている。効果については否定的なものも多く見受けられる…続きを読む
HIV感染症の治療は日進月歩である。現在も新規薬剤の開発が続き、多くの大規模臨床研究により様々な知見が明らかになってきている。これらを受けてHIV感染症の治療ガイドラインも頻繁に改訂されている。 治療の進歩は喜ばしいことだが、臨床医としては以前読んだガイドラインに記載されていたこ…続きを読む
「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」と「抗菌薬使用量(AMU)」 2016年に日本における「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」[1]が策定され、一般市民、医療従事者ともに薬剤耐性への対策が徐々にとられてきている。「薬剤耐性(AMR)アクションプラン」に掲げられている6…続きを読む