はじめに 肺炎を診断したことがない、もしくはその患者の診療に携わったことがない医療者は、ほとんどいないだろう。日本では、年間およそ8~10万人が肺炎で死亡していると推計され、常に死因の上位に位置(死因の第4~5位で推移)している[1]。特に、高齢者医療に携わる方々にとって、肺炎は…続きを読む
はじめに――趣味は論文集め 論文の収集が好きである。専門家としてガイドラインや教科書に載る前のcutting edgeの部分に追い付いていく必要もあるし、時に面白い視点で自分の診療を変えてくれるような論文に出合うのも楽しいものである。また、COVID-19のパンデミックに対応する…続きを読む
新型コロナウイルス感染症が流行する数年前のことだが、便に寄生虫の卵が出ているらしいという患者さんをご紹介いただいた。感染症科の外来をしていると、こうした患者さんも時々お見えになる。私は寄生虫症の専門家ではないが、寄生虫に詳しい技師さんに協力してもらって対応している。実際、患者さん…続きを読む
COVID-19(Coronavirus Disease 2019)流行当初の2020年、軽症例に対する重症化予防効果を十分に示す薬剤は存在せず、発症早期は対症療法で経過観察するしかなかった。世界的には、2020年終盤から発症早期に投与することで重症化予防効果(入院予防効果)が期…続きを読む
本稿は執筆者個人の見解であり、所属機関やIDATENの見解ではないことにご留意ください。 はじめに 2019年12月の中華人民共和国湖北省武漢市を発端とする新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019;COVID-19)が世界的大流行(パンデミック)…続きを読む
COVID-19患者の増加期には、宿泊療養施設への入所も急増する。自治体により対応は多少異なると思うが、多くの自治体で宿泊療養施設には医師会もしくは病院からの派遣医師が関与しているのではないかと思われる。自宅療養中の患者が増加するにつれ、保健所と協力しながら、往診体制が構築された…続きを読む
はじめに 2019年9月20日~11月2日に開催されたラグビーワールドカップ2019では、日本は惜しくも決勝トーナメントで南アフリカに敗れてしまいましたが、予選リーグで当時の世界ランキング1位のアイルランド、7位のスコットランドに勝利して初のベスト8となりました。そして、いわゆる…続きを読む
CONTENTSCOVID-19パンデミックが感染症教育にもたらしたインパクトPoint 1:学習者のニーズとの「マッチ」を意識して動機付けを促そうPoint 2:学習者の「時間軸」を意識しよう 1. 時間帯 2. 長さ 1)One-minute preceptor(OMP)/…続きを読む
本号は3分割してお届けします。第1回 第2回 COVID-19治療薬レムデシビルのエビデンス 最後の具体例として、clinical question(CQ)-2レムデシビルのエビデンスについて、少し詳しくみていきましょう(図1、2)[1、2]。 承認の根拠となったRCTに「日本も…続きを読む
本号は3分割してお届けします。第1回 第3回 視点3:エビデンスはどのくらい確実なのか? ここまでで、推奨度と効果推定値については分かったとします。では、これらはどのくらい信じてよいのでしょうか? 「そのエビデンス、信じるか信じないかは読み手次第」なのでしょうか? あるいは、一昔…続きを読む