(今号は3週連続で配信しています。1号目) 私たちは、髄液の細菌・真菌・抗酸菌の各種培養、さらにHSV-PCR、TB-PCR、ADA、クリプトコックス抗原などを追加で提出しました(髄液のグラム染色、抗酸菌染色、墨汁染色は陰性)。当院では当日内にクリプトコックス抗原検査陰性が確認で…続きを読む
(今号は3週連続で配信します。) 患者および主訴 78歳男性。側頭動脈炎としてステロイド投与中の髄膜炎でコンサルト。 (今回の)入院約3年前より、全身に掻痒の強い皮疹(蕁麻疹様紅斑)が出現した。近医(皮膚科)を受診し、内服薬および外用剤使用で改善と増悪を繰り返しながら、入院約1….続きを読む
(今号は3週連続で配信しました。1号目 2号目) 血液培養からグラム陽性桿菌が検出された場合に最も多く遭遇するのは、Corynebacteirum 属、Bacillus 属、Propionibacterium 属といった皮膚の常在菌であろう。これらは血液培養のコンタミネーション…続きを読む
(今号は3週連続で配信しています。1号目) 92歳という超高齢者における意識障害のケースである。 高齢者が救急外来を受診する主訴の中で、意識障害は多くを占めている。「いつもと違って何かが変だ」「寝てばっかりで起きてこない」、あるいは独居の高齢者の場合、今回の症例のように「気が…続きを読む
(今号は3週連続で配信します。) ※本症例は、実際の症例をもとにしていますが、プライバシー保護のため病歴を一部改変しています。 現病歴 ADLは自立し独居している92歳の女性が、救急外来を受診した。 受診前日に親族が電話をかけたところ電話に出なかったため、心配した親族が自宅…続きを読む
(今号は3週連続で配信しました。1号目 2号目) 肺結核ハイリスク群では胸部X線撮影・喀痰抗酸菌検査をより積極的に行なう 前述のように、身体所見・画像所見ともに、典型例がある一方で多数の非典型例が存在する。このように、肺結核はとらえどころのない疾患であり、難しく考えすぎないこと…続きを読む
(今号は3週連続で配信しています。1号目) (幕間劇) 指導医ぶぅちん(以下「ぶぅちん」) 「感涙」 研修医しまむら(以下「しまむら」) 「どうしたんですか、ぶぅちんセンセ!」 ぶぅちん 「感無量」 しまむら 「……まさか再登場できるとは思ってませんでしたもんね、センセ」 ぶぅち…続きを読む
(今号は3週連続で配信します。) 肺結核の診断は難しい。結核病棟で勤務していると様々な症例が紹介されてくる。いわゆる「後医」として診断がついてから治療をすることが多いが、自分が「前医」であっても悩ましいだろうケースは多数存在する。 結核病棟で経験する事例から、肺結核をより的確…続きを読む
(今号は3週連続で配信しました。1号目 2号目) 最終回はアミノグリコシド系抗菌薬と、抗真菌薬ボリコナゾールについて概論していく。 アミノグリコシド(Aminoglycosides;AGs) 1.投与法 AGsの投与法には、複数回分割投与法(multiple daily do…続きを読む
(今号は3週連続で配信しています。1号目) 第2回と第3回ではTDMの必要な各薬剤について概論していく。今回はバンコマイシンを中心とした耐性グラム陽性菌用抗菌薬である。 バンコマイシン(Vancomycin;VCM) 2009年に米国で出されたTDMガイドラインでは、5日以…続きを読む