はじめに 肺炎を診断したことがない、もしくはその患者の診療に携わったことがない医療者は、ほとんどいないだろう。日本では、年間およそ8~10万人が肺炎で死亡していると推計され、常に死因の上位に位置(死因の第4~5位で推移)している[1]。特に、高齢者医療に携わる方々にとって、肺炎は…続きを読む
本稿は執筆者個人の見解であり、所属機関やIDATENの見解ではないことにご留意ください。 はじめに 2019年12月の中華人民共和国湖北省武漢市を発端とする新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019;COVID-19)が世界的大流行(パンデミック)…続きを読む
はじめに COVID-19のパンデミックで成人感染症分野が大変な状況になっている。一方、小児分野ではそれほど大きな問題になっていないのに加え、接触機会の減少や感染対策の普及によりむしろ感染症が激減し、なぜか尿路感染症までもが減少する事態となっている[1]。小児感染症医たちは皆、心…続きを読む
今年も残すところ少なくなってきました。いよいよインフルエンザの季節がやってきたので、今回はインフルエンザをテーマにしたいと思います。ただし、ここで述べることは筆者個人の見解であり、IDATENの公式見解ではありません。 季節性インフルエンザとは 季節性インフルエンザは世界で毎年多…続きを読む
はじめに 感染症好きを公言してはばからない、KANSEN JOURNALの読者の皆様、お待たせしました。原発性免疫不全症 updateです。え、待ってない? 待ってないですか、原発性免疫不全症(primary immunodeficiency;PID)……。 PIDに関して、皆様…続きを読む
(今号は3週連続で配信しています。 1週目 2週目) 水痘の病態 水痘ウイルス(varicella-Zoster virus)はDNAウイルスで、ヒトの鼻咽腔・口腔粘膜より気道を経由し、咽頭のTリンパ球細胞に侵入して増殖します。十分に増殖するとウイルス血症(一次ウイルス血症)…続きを読む
(今号は3週連続で配信しています。 1週目) 水痘は今も日本では小児の代表的な流行性疾患であり、院内の感染管理対策上、重要な感染症の一つです。空気感染するため、罹患者の陰圧個室での隔離が必要となります。水痘の感染制御を困難にしている理由としては、①発疹が出現して水痘を発症したと…続きを読む
(今号は3週連続で配信します。) 「水痘は最近めっきり減って、診たことない先生も多いのよ。見逃しがないか心配……」 2011年4月、筆者(荘司)はアメリカのサンディエゴで行なわれた、全米感染症財団(National Foundation of Infectious Disea…続きを読む