本号は3分割してお届けします。第1号 今回のテーマ:難しい局面(1)「バンコマイシンのMICが高いMRSA株の治療は?」 第2回目である今回は、「難しい局面(1)」として、バンコマイシンのMICが高いMRSA株に遭遇した場合の治療について取り上げます。 前・後半に分けて、前半では…続きを読む
本号は3分割してお届けします。 はじめに メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)は日常診療で高頻度に遭遇する最も有名な多剤耐性グラム陽性球菌であり、病原性も高く、皮膚軟部組織感染症や骨髄炎、…続きを読む
本号は3分割してお届けします。 1号目 2号目 破傷風の予防接種――その歴史的背景 破傷風のワクチンを開発したのはG. Ramon(1886-1963)である。彼の本業は獣医であり、動物の破傷風ばかり診ていたと言われているが、獣医学校を卒業後、パスツール研究所時代に破傷風抗血清の…続きを読む
本号は3分割してお届けします。1号目 破傷風の診断 破傷風の診断は、原則的に臨床症状で行う。創部の培養についても感染症の教科書Mandellでは勧められていない。その理由としては、①どれだけ注意しても嫌気性培養は偽陰性となりうること、②培養陽性でも毒素産生株かどうか分からないこと…続きを読む
本号は3分割してお届けします。 「破傷風は予防注射の対象とすべき疾患で、治療の対象とすべきものではない」「この傷は破傷風になる、あるいはならないという判断はいかなる名医でもできない」 ――海老沢 功(『破傷風』〔日本医事新報社、1988年〕より) 破傷風とは 破傷風とは、破傷風菌…続きを読む
年度が変わり、新たに外来でHIV診療を始めた方もいるだろう。前任者から引き継いで、すでにART(antiretroviral therapy)が開始され、安定している患者の定期外来を継続することも多いと思われる。そうした方へ向けて、初診時のマネジメントやARTの新規導入ではなく、…続きを読む
3分割で配信しています。 第1号 第2号 はじめに 前回までトキソプラズマ急性感染とトキソプラズマ脳炎を中心に、後天性トキソプラズマ症について概説した。最終回は、先天性トキソプラズマ症について述べる。 先天性トキソプラズマ症はTORCH症候群の一つ(T=Toxoplasma)で…続きを読む
3分割で配信しています。 第1号 はじめに 今回はトキソプラズマ脳炎について概説する。トキソプラズマ原虫に感染してもほとんどが無症候で慢性不顕性感染へ移行することは前回述べた通りである。この時期にトキソプラズマ原虫は宿主の免疫応答により増殖が抑えられ、脳・眼・骨格筋・肺で緩増虫体…続きを読む
3分割で配信しています。 はじめに トキソプラズマ症は、トキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)により引き起こされる感染症である。妊娠中の初感染で胎児に起こりうる先天性トキソプラズマ症や、後天性免疫不全症候群(acquired immune deficiency …続きを読む