Q1:「以前にβラクタム系薬でアレルギーがあった」と言われた場合、他系統のβラクタム系薬については、慎重に経過をフォローしながら使用してよいのか? それとも避けるべきなのか? A1:他系統のβラクタム系薬使用の可否は、認めたアレルギーの重症度やタイプによって判断をす…続きを読む
はじめに SARS-CoV-2による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴い、コロナウイルスに対する活性が報告されているプロテアーゼ阻害剤のロピナビル/リトナビル(以下LPVr、カレトラ®)が使用される症例が続いている。効果については否定的なものも多く見受けられる…続きを読む
HIV感染症の治療は日進月歩である。現在も新規薬剤の開発が続き、多くの大規模臨床研究により様々な知見が明らかになってきている。これらを受けてHIV感染症の治療ガイドラインも頻繁に改訂されている。 治療の進歩は喜ばしいことだが、臨床医としては以前読んだガイドラインに記載されていたこ…続きを読む
「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」と「抗菌薬使用量(AMU)」 2016年に日本における「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」[1]が策定され、一般市民、医療従事者ともに薬剤耐性への対策が徐々にとられてきている。「薬剤耐性(AMR)アクションプラン」に掲げられている6…続きを読む
「僕たちにも、野球はできる!」 東京オリンピック(1964年)開催の翌年、沖縄で風疹が流行し、妊婦の25~30%が罹患したと推定された。妊娠初期4か月間に感染した妊婦は2000~2400人と考えられ、先天性風疹症候群(congenital rubella syndrome; CR…続きを読む
皆さんは、Staphylococcus lugdunensis(S. lugdunensis)という菌名を聞いたことがありますか? 自分はこの「ラグド」もしくは「ルグドゥ」と聞いたときに、どこかのRPGなどに出てきそうな名前だなと思いましたが、ブドウ球菌だけれど黄色ブドウ球菌(S…続きを読む
抗菌薬選択の適正性を判断することの難しさ 2016年に日本における薬剤耐性(AMR)対策アクションプランが策定されたことで、医療者の薬剤耐性に対する意識はだいぶ変わってきたように思う。一般市民への啓発はまだまだこれからの面もあるが、少しずつ浸透してきていることも実感される。とある…続きを読む
今、経口抗菌薬を見直す意味 セファゾリンの供給停止問題は、一時的とはされているものの、日本の感染症診療に大きな影響を及ぼしています。この問題は、1種類の薬剤だけにとどまらず、他の静注抗菌薬の供給不安をも引き起こす事態になっています。 感染症診療における治療期間は、すべ…続きを読む