#本稿における記述は筆者の個人的見解であり、所属組織やIDATENを代表する公式な見解ではありません。 はじめに 皆さんは、Immunization Agenda 2030(IA2030)というものをご存じだろうか[1]。世界保健機関(World Health Organizat…続きを読む
はじめに 皆さんはHIV検査の「ウェスタンブロット法」という言葉を覚えていますか? ご存じの方も多いと思いますが、実はすでにHIV感染症の確認のためのウェスタンブロット法を用いた検査は、多くの施設でイムノクロマト(IC)法を原理とするHIV-1/2抗体確認検査法に切り替わっていま…続きを読む
はじめに――趣味は論文集め 論文の収集が好きである。専門家としてガイドラインや教科書に載る前のcutting edgeの部分に追い付いていく必要もあるし、時に面白い視点で自分の診療を変えてくれるような論文に出合うのも楽しいものである。また、COVID-19のパンデミックに対応する…続きを読む
新型コロナウイルス感染症が流行する数年前のことだが、便に寄生虫の卵が出ているらしいという患者さんをご紹介いただいた。感染症科の外来をしていると、こうした患者さんも時々お見えになる。私は寄生虫症の専門家ではないが、寄生虫に詳しい技師さんに協力してもらって対応している。実際、患者さん…続きを読む
本号は3分割してお届けします。第1回 第2回 だけじゃない、WHO 皆さんは「だけじゃない、テイ○ン」のコマーシャルを知ってるでしょうか? この会社は業界では在宅酸素が有名ですが、繊維業やIT事業など、手広く色々なことをやっているという意味なのだそうです。さて、この業界において…続きを読む
本号は3分割してお届けします。第1回 患者ゾーンを定義する 手指衛生を「いつ」行えばよいのかをわかりやすく明確に説明するのは長い間困難でした。「一処置一手洗い」なる言葉もありましたが、実際に「一処置の始まりと終わり」を定義するのは難しく現実的ではありません。そんな中、2009年に…続きを読む
本号は3分割してお届けします。 はじめに 昨今「リケジョ」なる「理系女子」という言葉がブームになりましたが、同様に「理系男子」も存在します。往々にして男子であれ女子であれ、「理系」の人は細かいことにこだわり、「こいつ、超めんどくせぇ!」と愛想を尽かされがちです[1]。筆者は自分が…続きを読む
(3分割配信の3回目です 1回目 2回目) 合併症 合併症は大きく3つに分類される。1)急性もしくは慢性の感染症、2)炎症性もしくは自己免疫性、3)悪性腫瘍である。CVIDを理解するにあたって重要なことは、感染症とその結果である構造的な破壊と、もともと存在する免疫異常からくるも…続きを読む
(3分割配信の2回目です 1回目) 今回はCVIDの診断・疫学について述べる。 診 断 CVIDの診断は除外診断である。CVIDが疑われた場合は、二次性の免疫抑制をきたしうる原因のリスクにかかわる詳細な病歴聴取を行なわなければならない。液性免疫不全に合致しそうであれば、最初の…続きを読む
(3分割配信の3回目です 1回目 2回目) 前回まで、PCPの経過、診断を中心に取り上げてきましたが、今回はPCPの治療と予防について考えたいと思います。 治 療 選択薬 治療としては、ST(trimethoprim-sulfamethoxazole)合剤が第1選択として用…続きを読む