(今号は、3週連続で配信します。) 症 例 主 訴 発熱、発疹 現病歴 2013年5月の和歌山にて。当院受診5日前より体幹を中心とした紅斑および39℃台の高熱が持続したため、近くの皮膚科医院を受診した。同院で風疹と言われ、解熱剤のみが投与され、しばらく自宅にて経過を見ていたが、ま…続きを読む
(今号は3週連続で配信しています。1号目 2号目) 前回までのまとめ 軽度の糖尿病はあるが、比較的健康な高齢者に発症したListeria による市中細菌性髄膜炎。 症状の発現から細菌性髄膜炎として本格的な抗菌薬治療が開始される前に約2日の期間があり、この間に症状が進行してしまった…続きを読む
(今号は3週連続で配信しています。1号目) 前回までのまとめ 軽度の糖尿病はあるが、比較的健康な高齢者が発熱、嘔吐、意識障害をきたしている。 身体所見上は、髄膜刺激症状がある。 主治医はこのようなプランを考えました。 「身体所見や経過からは、市中発症の細菌性髄膜炎が疑われる」「…続きを読む
(今号は3週連続で配信します。) 症 例 60歳代女性 主 訴 発熱、嘔吐、食欲不振 現病歴 入院2日前、朝より食欲不振、午後になり発熱・嘔吐が出現した。近くの救急病院を受診し、内服薬の処方を受け帰宅した。入院1日前、高熱・嘔吐が持続し夜間に救急搬送された。搬送先の病院でピペ…続きを読む
(今号は3週連続で配信しました。 1号目 2号目) 最後に糞線虫症に関して概説します。 機 序 糞線虫症は、糞線虫(Strongyloides stercoralis )によって引き起こされる蠕虫感染症です。糞線虫は熱帯や亜熱帯地域に広く分布し、日本では九州南部、特に鹿児島や奄美…続きを読む
(今号は3週連続で配信しています。1号目) 私たちは、髄液の細菌・真菌・抗酸菌の各種培養、さらにHSV-PCR、TB-PCR、ADA、クリプトコックス抗原などを追加で提出しました(髄液のグラム染色、抗酸菌染色、墨汁染色は陰性)。当院では当日内にクリプトコックス抗原検査陰性が確認で…続きを読む
(今号は3週連続で配信します。) 患者および主訴 78歳男性。側頭動脈炎としてステロイド投与中の髄膜炎でコンサルト。 (今回の)入院約3年前より、全身に掻痒の強い皮疹(蕁麻疹様紅斑)が出現した。近医(皮膚科)を受診し、内服薬および外用剤使用で改善と増悪を繰り返しながら、入院約1….続きを読む
(今号は3週連続で配信しました。1号目 2号目) 血液培養からグラム陽性桿菌が検出された場合に最も多く遭遇するのは、Corynebacteirum 属、Bacillus 属、Propionibacterium 属といった皮膚の常在菌であろう。これらは血液培養のコンタミネーション…続きを読む
(今号は3週連続で配信しています。1号目) 92歳という超高齢者における意識障害のケースである。 高齢者が救急外来を受診する主訴の中で、意識障害は多くを占めている。「いつもと違って何かが変だ」「寝てばっかりで起きてこない」、あるいは独居の高齢者の場合、今回の症例のように「気が…続きを読む
(今号は3週連続で配信します。) ※本症例は、実際の症例をもとにしていますが、プライバシー保護のため病歴を一部改変しています。 現病歴 ADLは自立し独居している92歳の女性が、救急外来を受診した。 受診前日に親族が電話をかけたところ電話に出なかったため、心配した親族が自宅…続きを読む