発熱、嘔気、倦怠感、頭痛のため受診した50歳代男性(1/3)
(今号は3週連続で配信します。)
※本症例は、いくつかの実際の症例を総合して作成した架空のものです。
発熱、嘔気、倦怠感、頭痛のため受診した50歳代の男性。
季節は梅雨時。場所は関東地方。
当院受診の7日前に全身倦怠感が出現。5日前に37.6℃まで発熱し、4日前に嘔気を自覚し始めた。同時に38.8℃まで発熱したため近医を受診し、その時点の診断は不明だが、経口セファロスポリン、アセトアミノフェンの処方を受けた。3日間内服したが解熱せず、当院を紹介受診した。咳、痰、呼吸苦なし。排尿時痛、排尿困難感なし。
既往歴
高血圧(2年前より未治療)
家族歴
なし
薬剤歴
内服中の薬剤なし
社会歴
運送業に従事
生活歴
- アルコール:缶ビール3本・日本酒2合/週3~4
- タバコ:20本×35年
来院時の身体所見
- 身長168 cm、体重69 kg、BMI 24.4
- 体温39.5℃、血圧170/94mmHg、脈拍114bpm
- 呼吸数:記載なし
- 全身状態:ややぐったりしている
- 意識レベル:清明、髄膜刺激徴候なし
- 頭頸部:結膜充血あり、貧血なし、黄疸なし、リンパ節を触知しない、咽頭発赤あり
- 胸部: 両肺野に雑音を聴取しない
- 心血管系:心尖部で収縮期の駆出性雑音を聴取
- 腹部:平坦、軟、圧痛および自発痛なし
- CVA:両側に叩打痛なし
- 四肢:浮腫なし
胸部X線撮影
右下肺に透過性の低下を認める。
血 算
- WBC 10320/μL(Neut 89.1%、Lym 6.5%、Mono 4.3%、Eos 0%)
- RBC 488万/μL、Hb 15.0g/dL、Hct 42.8%、Plt 19.4万/μL
生化学
- Na 125mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 90mEq/L
- BUN 11.7mg/dL、Cr 0.55 mg/dL、BS 134mg/dL
- AST 115IU/L、ALT 160IU/L、LDH 299IU/L、γ-GTP 218IU/L
- T-Bil 1.0mg/dL、CRP 20.16mg/dL
- pH 7.522、PCO2 27.9、PO2 64.1、Sat 94.3%
- HCO3 22.4
検 尿
- タンパク(3+)、糖(-)、ビリルビン(-)、ケトン(-)、潜血(3+)
- 赤血球50~99/HF、白血球1~4/HF、扁平上皮<1/HF
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さて、診断のために、どのような病歴や追加情報が必要でしょうか?
初期評価のために、何をしますか?
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