2014年まとめ
国内外でのエボラ関連ニュースの過熱感がようやく落ち着いたかと思われた年末の12月28日、シエラレオネから帰国した男性が発熱し、エボラウイルス感染症が疑われているというニュースが飛び込んできました。
2002年にSARS(重症急性呼吸器症候群)が発生してから、毎年のように様々な感染症がニュースで取り上げられるようになった印象があります。2014年は8月に69年ぶりのデング熱の国内感染例の報道がありました。時同じくしてエボラウイルス感染症関連の諸問題が持ち上がり、年末年始も慌ただしくしている医療機関や行政機関も少なくないでしょう。そうこうしているうちに、インフルエンザは通年より早い流行入りをし、RSウイルス感染症も大流行しています。世界ではMERS(中東呼吸器症候群)や鳥インフルエンザ(H5N1およびH7N9など)の症例が引き続き報告されています。渡航歴や接触歴などの病歴聴取や標準予防策などの基本的な感染対策の重要性が改めて見直されています。
ウイルス感染症だけではありません。薬剤耐性菌、とりわけ大腸菌などの腸内細菌科における薬剤耐性はいよいよわが国でも無視できない状況になりつつあり、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症が5類感染症に指定されました。届出開始が2014年9月19日からであったにもかかわらず、2014年12月14日時点ですでに254例が届けられているようです。
2014年のKansen Journalではケーススタディーを3題、ミニレビューを2題取り上げました。またエボラウイルス感染症の現状と対策に関する臨時号を2報出しました。それぞれに重要なtake home messageがありますので、読み過ごしたという方は、今一度、下記からご確認をお願いします。
それでは皆様、2015年のKansen Journalにもご期待ください!
表 2014年発行のKansen Journalの記事一覧
3月 | 東北大学病院検査部 大江千紘 |
4月 | 日本赤十字社和歌山医療センター感染症内科 大棟浩平、古宮伸洋 |
5月 | 東京都立墨東病院感染症科 彦根麻由 |
7月 | |
9月 | 京都大学大学院社会健康医学専攻医療疫学分野/神戸大学感染症内科 山本舜悟 |
10月 |
注:執筆者の所属は執筆時点のものです。
(了)