発熱・悪寒を主訴にERを受診した20歳代男性(1/3)
(今号のCase Studyは、3週連続で配信します。)
※本症例は、実際の症例を参考に作成した架空のものです。
症 例
20歳代、男性
現病歴
2010年7月10日に頭痛、筋肉痛、悪寒を伴う39度の発熱を認めた。翌日、近くのクリニックを受診して、ロキソプロフェン(ロキソニン®)、レバミピド(ムコスタ®)を処方された。内服を4日間続けたが改善がみられなかったため、別の病院を受診して、セフジトレン・ピボキシル(メイアクト®)、イブプロフェン(ブルフェン®)を処方された。その後も症状は持続し、徐々に食事が摂れなくなった。海外渡航歴があるため(後述)、輸入感染症を心配して7月16日に当院ERを受診した。
既往歴、アレルギー、家族歴
特記事項なし。
生活歴
喫煙なし。機会飲酒程度。
職 業
塾の講師。
渡航歴
2010年3月末まで、青年海外協力隊員として、アフリカのウガンダに2年間滞在していた。また、2010年7月3~7日まで、インドネシアのバリ島に5日間観光で滞在していた。
システムレビュー
・陽性:発熱、悪寒、頭痛、関節痛(改善傾向にある)
・陰性:咳、痰、咽頭痛、腹痛、下痢、悪心、リンパ節腫脹
身体所見
・バイタルサイン:意識清明、体温37.1度、血圧113/61mmHg、脈拍78回/分、呼吸回数 12回/分
・頭頸部:眼瞼結膜貧血なし、球結膜黄疸なし、Jolt accentuationなし、項部硬直なし、咽頭発赤・扁桃腫大なし、頚部リンパ節腫脹なし
・胸部:呼吸音・清、心雑音なし
・腹部:平坦・軟、圧痛なし、肝脾腫なし
・四肢:肘・膝関節痛あり
・皮膚:発疹なし
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ここまでの情報でどのような鑑別疾患が挙げられるでしょうか? また、さらに鑑別疾患を絞り込むために必要な情報は何でしょうか?
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(続く)